ファクターとクライアントでファクタリングサービスの契約締結を行う際には償還請求権留保方式か償還請求権放棄方式の選択をおこなう必要があります。ファクターはどちらの方式であってもクライアントとカスタマー両方の信用調査をおこないますが、前者の場合、ファクターがその権利を実行できるか否かはクライアントの償還力に依存しているので、クライアント側が重点的に信用調査されます。後者の場合、カスタマーの支払い能力が問題となるので、カスタマー側が重点的に信用調査される仕組みです。日本では譲渡秘匿方式のファクタリングが一般的のため、ファクターはカスタマーに知られないように各カスタマーの信用調査をおこないます。

しかし、ファクターが重視している信用情報というのはいくつかあるものの、その情報を精査して分析できる要素をファクターが持っているか否かをクライアント側は見極めておくことが必要です。また、与信限度額の決定をする必要があり、融資に関しては満期か前払い方式かを選択します。クライアントとしてはファクターに対して主に融資を求めるものであるので、実効金利ベースではファクターも銀行も変わらないものとなっています。前者の融資は売掛債権の買い取りあるいはそれを見合いとした融資ですが、後者の融資は融資プラス信用リスク負担のファクター独特の金融パッケージサーービスです。

しかし、後者のファクタリングは企業倒産のリスクが少ない時にだけ成立するもので基本的には難しいとされています。

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